| 上の写真ではわかりにくいが、下はいきなり水である。先頭を行くのは、私。勢い込んで足をつけた途端
あげぎやぐへひょおぉぉぉぉぉ〜!!!!!!
と、妙な叫びをあげてしまったのである。続く長女(中学生女児)は、足をつけた途端怒りだした。
「お金払って来たのに、こんな目に遭わされるなんて!!」
怒ってはいるけれど、泣き声である。正直、私も泣きそうだった。頭では「冷たい」とわかってはいたけれど、実際にこの水に足を入れた時の感覚は、筆舌に尽くしがたい。足先から脳天にまで、鋭い冷えが一瞬であがってくるのだ。この日の水位は、むこうずねくらい。多い日には、大人の膝より上になるという。
続く次女と夫は、叫ぶことも怒ることもなく、静かに水の中にたたずんでいる。夫は冷たいとは思うけれど、叫ぶほどではないとか。さらに次女に至っては、
「はぁ〜冷たくて気持ちいい」
と喜んでいる始末。「Bコース」に足を踏み入れた瞬間、引き返すグループも少なくないと聞いていたが、確かにこの冷たさは引き返したくなる。
しかしここで前に書いたように、
「水は冷たいが、しばらくすると慣れてくる」
という言葉をしっかりと思い出して欲しい。その言葉を信じて、私と長女は半泣きになりながらも、前進を開始。
「もうダメだ」と、何度も思ったけれど、1分ほど歩いた頃だろうか。だんだん水の冷たさがわからなくなってきたのだ。どうやら感覚が麻痺してきたらしい。
こんなところを進んでいく。右上に見えるのが光るロープ
こうなればしめたもの。だんだん余裕がでてきて、洞内の景色を楽しむ余裕もでてきた。しかし灯りは工事現場にあるような、光るロープが所々にあるだけ。すべては持参したライトだけが頼りである。それでも真の暗闇に対しては、ヘッドライトの灯りはいかにも頼りげない。ロウソクに至っては、途中で消えてしまったらパニックになりかねない。頭上からも水がしたたり落ちるし、ライトは持参するに限ると思った。
実際に見た感じよりは暗く写っているが、ヘッドライトの灯りなんてこんなもの。
「Bコース」の途中で、どちらへ進むか分からない場所があった。こっちかなと思って行ってみると、行き止まり。子供らに「こっちダメだ」と報告すると、長女が「光るロープが向うに見える」と指さす先は、どうみても単なる隙間。ここがどうやら、案内所のオヤジさんが言っていた、「胎内くぐり=頭から入らねばならない箇所」のようだ。
先頭を進んでいた私は、潔く隙間へ頭を突っ込んだ。狭い!こりゃ体格のいい人は、通らないかも。実際に、案内所で「あなたの体格では無理です」と断られる人もいるという。だけどけっこう大きな人でも通ることができたという体験談もたくさん読んだので、ともかく断られない限りは大丈夫なのだろう。
ここを通過するには、手足をすべて使わねばならなかった。手に持つタイプのライトを持参した場合は、先に抜けた人へライトを預かってもらった方がよいと思う。この箇所は、復路の方が通り抜けやすかった。
洞内は普通に立って歩ける天井の高いところもあるが、腰をかがめて進まなければならないところもある。
これらが交互にくるので、さほどしんどくはない。しかし天井の低い箇所では、大人は頭に気を付けないと、したたかにぶつけることがある。
これを防ぐには、天井の高いところに出るまで、決して顔を前に向けないことだという。下を向いてさえいれば、頭の位置も低くなるので、ぶつけることも少なくなるという。しかしせっかちな私は、何度も前を向いて頭をぶつけた。タオルで頭を包むか、帽子(野球帽タイプは不可、つばの小さい物を)があれば、少しはマシかと思う。
ただし、もし脱げて水の流れに落とした場合は、すぐ流されてしまうだろう。他の体験談で、ヘットランプを流された人の話があった。帽子の着用については、この点を考慮する必要がある。
もういったいどこを歩いているのか、正直よくわからない。手もかじかんできて、デジカメの扱いもゆっくりと慎重にせねば、落としかねない状態であった。そうこうしているうちに、行く手の天井が極端に低くなった。どうやらここが第二の難関「第二胎内くぐり」のようだ。
これは復路で撮った写真だが、小学4年生(大柄だけど)が子供が四つんばいになってこんな感じ。
オヤジさんの説明によると、ここを抜けるには四つんばいで行くしかない。写真で見てもらったらわかるように、腰をかがめて行くのはまず無理。素直に手を水につけた。今度は叫びはしなかったけど、水の冷たさがまたもや脳天を直撃。「ひーっ」と言いながらも、四つんばいで進み始める。
後はひたすらこの苦行がいつ終わるかを待ち続けるだけ。数分間進んだのだろうか、ともかくどんな苦行にも終わりはある!また立って歩ける箇所に出た時には、目に涙がにじんだ。
復路での第二胎内くぐり終点。かなり狭い。
この後はどうということもなく、無事に「Bコース」の終点「カボチャ岩」に到着。
右側のこんもりしたのがカボチャ岩。わたくしの顔にはモザイクをかけております。
記念写真を撮ったあと、その先の「Cコース」を覗き見たが、細い穴が続いて不気味な雰囲気だった。一本道だから迷うことはないだろうが、確かに案内人がいないと心細かろうと思った。
カボチャ岩からCコースを覗き見たところ
「Bコース」終点を示す標識の下には、誰かが落としたタオルが一枚。
復路は余裕。ポイントごとに写真を撮ったり、動画を撮った。とはいえデジカメのファインダーを通してみても、モニタを通してみても暗くてよくわからないので、構図は山勘に頼ることが多かった。

写真はストロボのおかげできれいに撮れるが、動画は暗すぎてまったくダメ(我々は、デジカメの動画機能を使用)。せっかく胎内くぐりの様子を撮ったのに、ヘッドライトの灯りが移動するだけの、つまらないものだった。動画撮影を考えている方は、強力なライトを持参することをお薦めする。
再び「Bコース」入口に戻ってきた時には、家族全員ナチュラルハイの状態。「Bコース」内では誰にも会わなかったし、「Aコース」へ戻った時には、人里へと戻ってきたような感覚で、自然とテンションがあがったのだと思う。行楽シーズンには、洞内で行列ができることもあると聞くが、そうなると面白さは半減か。
「Aコース」を戻っていく途中、3組の家族と遭遇。1組目はロウソクを手にしていたから、「Bコース」へいくようだ。しかし小さなお子さんを連れていたから、「Bコース」へ入った直後にリタイアしなければいいのだがと心配になる。残りの2組は、服装から見て「Aコース」。
鍾乳洞の入口に戻ってきた時には、喜びで胸が一杯に。「無事、生還!」といった気分である。
更衣室へ戻ると、これから「Bコース」へ行くというご婦人から、どれくらい濡れるかとの質問をうけた。もちろん答えは「全身です」。実際は、上半身はウインドブレーカーやレインコートなどを着ていれば、さほどでもないと思う。でもTシャツの裾などがぬれていた。
また長袖Tシャツだった長女は、かなり上半身を濡らしていたし、次女もビショビショだった。ただ次女の場合は、ワザと水中に身を投じた結果であるが。
下半身は、お尻をぬらすと思って間違いなし。水位にもよるが、しゃがんだまま歩くところもあるので。 |